車のクラッチが故障する前兆と原因。禁断のクルマ実験室。意外と知らないオートマの「N」ニュートラルは何に使う。

MT運転中にギアを入れそこねてガリガリ!って音をさせることってありますか?

回転中のギアが互いに少し接触してしまう音です

やっぱこういうミスをすると恥ずかしいですか?

車のクラッチが故障する前兆と原因。

クラッチの故障のほとんどは、摩耗や破損によってクラッチがスムーズにつながらなかったり、クラッチが切れなくなったりする現象です。この状態がひどくなると走行不能となりますが、多くの場合は前兆が現れます。クラッチが故障する前兆として、エンジンの回転数は上がっているのに、速度が比例して上がらなかったり、クラッチをつなぐ時に異音が発生する、焦げたような異臭がするなどの症状が現れます。クラッチ板が摩耗してしまう原因は、半クラッチを必要以上に多用していたり、クラッチペダルから足を完全に離さずに、クラッチをわずかに引きずりながら運転する癖がついていたりすることです。クラッチの破損の原因は、摩耗の場合とは逆に、半クラッチをほとんど使わず、一気にギアをつないだり、エンジンの回転数が高いままギアをつぐなどの操作によるものが多いようです。普段からクラッチ操作を慎重に行うことで、クラッチの寿命も大きく変わると言えます。上記の通り、クラッチ板は突然不具合の前兆もなく寿命を迎えることはあまりなく、普段から異音や操作感に気をつけていれば、突然の走行不能などのトラブルは避けられる可能性は高いと言えるでしょう。ただし、クラッチ板は消耗品なので、経年と共に摩耗が進み、寿命が近づくため、定期的な点検が必要です。

禁断のクルマ実験室。

 AT車のシフトレバーで、ゲート式でなく直進で動かせるタイプでは、レバーのクリック感より操作力が勝ってしまい、狙ったポジションを通り過ぎてしまうことがある。通常は、Dレンジに入れようとしたら、もう一段下まで入った程度のものだが、走行中に入れちゃいけないポジションになるとどうなるだろうか? これをコラムシフトのビスタで試してみた。まず、DからPへの変化。Pレンジは、AT内部のシャフトに対して機械的にロックが掛かるようになっている。これが走行中に噛み合ったら、かなりの衝撃があるはずで、タイヤがロックするかロック機構が破壊されることになるだろう。※専用施設等において専門家の指導のもと取材しています。

 心の準備をした上で、Dレンジで20km/hほどにしてからコラムシフトを一気にPまで戻してやる。上体を硬直気味にしていたのに、ショックは何も起きずニュートラルと同じ惰性走行だが、エンジンルームからはガァーというノイズが聞こえてくる。スピードが落ちてきても何も起きず、ガァーという音の周波数が下がり、唸り音が消えたなと思ったところでガツン!という衝撃があり、クルマが前後にグワングワン揺れだした。データをチェックすると、速度は5km/hで、歩く速度くらいでようやくロックが噛み込んだのだった。結構衝撃があり、シートベルトに当たった鎖骨が痛い。 ブレーキで止まるのと違うのは、AT側でロックするので、ギヤをはじめとした駆動系の遊びがあるのと、タイヤからの入力でエンジンマウントがたわむので、AT側がロックしてからの揺り返しがものすごく大きいのだ。データ上でも、前後Gの振幅の最大が0.8G程度になっていて、通常の速度の急ブレーキと同じ程度のGが出ていた。

 次に走行中にリバースに入れてみる。ビスタでは何も起こらず惰性走行が始まった。どうやら保護機能があるらしい。吹かしても逆噴射ブレーキが利かず、速度が落ちてからグイッとバックしだす感じ。機種によっては、すぐにエンジン停止するものもある。

 一般的にATは押しがけができないが、Dレンジ走行中にイグニッションを切った場合、ロックアップ機構が繋がっていればATの油圧は保持されてエンジンは駆動輪から回される。その状態ならイグニッションオンにすると再始動できる。速度が落ちるとダメ。

 パーキング機構は、AT内のシャフト上にあるパーキングギヤの凹みにパーキングポールが噛み合って機械的に回転しないようにしている写真はホンダの旧AT。これは回転が速い時には弾かれる形状になっている。ビスタでの実験結果では、車速が5km/hになった時に噛み込んでいた。G変化を見ると前後の揺さぶりがスゴイグラフの青線がG、赤線が車速。

意外と知らないオートマの「N」ニュートラルは何に使う。

 マニュアルトランスミッションMTのニュートラルは頻繁に使うからわかりやすいけど、オートマチックトランスミッションATのニュートラルNレンジは確かに何のためにあるかわかりにくい。

 そもそもニュートラルはMTもATもギヤが噛み合ってない、クルマを押すか下り坂であれば転がる状態のこと。そこがATにおけるパーキングPレンジとの違いで、Pレンジは文字どおり駐車や長い時間の停止のためクルマが動かないようギヤが噛み合っている状態だ。このことはパーキングで坂にクルマを停め、シフトレバーを動かすとガツンという手応えがあることからもわかる。

 ではATのニュートラルは何のためにあるのか? 1つはJAFなどのロードサービスの救援車を代表に、故障などで他車に引っ張ってもらう「けん引」の際に前述したように転がる状態にするため。

 もう1つはひどい渋滞などで「いずれ動き出すけど長く停止する時」のため。AT車の前からP、R、N、Dというシフトポジションの並びを見てもわかるとおり、停止中でドライブからパーキングに入れるとリバースを通過するので、バックランプがついて後続車がビックリするのを防ぐという意味もある。

 ただし今の車ならそれほど心配することはないが、古いクルマやATが弱いクルマだと、信号待ちのたびにニュートラルに入れると、ニュートラルからドライブに入れる際にごく軽いショックがあることからもわかるように、ATにも入っているクラッチ板の摩耗が著しく進みトラブルの要因になる。そのためニュートラルに入れるのは基本的にけん引とひどい渋滞などで長く停止する時だけのほうがいい。

 今でも稀に「下り坂はニュートラルで走ると燃費が上がる」と深い根拠なく言う人がいるが、走行中ニュートラルに入るのを想定したAT車以外は、「Dレンジでエンジンブレーキの状態だと燃料カットの状態なので燃料は使わない」のに、「ニュートラルだとエンジンはアイドリングなのでエンジンブレーキが利かない=アイドリングだとアイドリングさせるための燃料を使ってしまうため燃費で損をする」上に、エンジンブレーキが効かないので危険でもある。

 しかし下り坂などのアクセル全閉状態だと、積極的にニュートラル状態とし空走距離を増やすし燃費を稼ごうとするATもある。具体的にはポルシェのPDKやボルボの8速ATなどが該当し、コースティング機能などと呼ばれる。

 こういったクルマは通常のポート噴射のエンジンよりアイドリングで使う燃料が少ない直噴エンジン車であることが多い上、当然ながら走行中ニュートラルを使うことも想定されているのでできることなのだ。つまり走行中ニュートラルにすることを想定しない多くの車でニュートラルを使う必要はない。

 なおコースティング機能を持つAT車は、ブレーキを踏む、シフトレバーを動かすといった操作を行えば、通常のエンジンブレーキが効いた状態となる。

 またあって欲しくないことだが、運転中ペダルやリバースとドライブを間違えてパニックになった、運転者が急な疾患などでクルマが暴走したという場合に、ギヤをニュートラルにすることは暴走を食い止める手段に使えるので覚えておきたい。

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